活動レポート

ケンフーとは何者か — シンガポールのプライベートバンカーが、日本語で発信を始めた理由

CFA認定プライベートバンカーとして20年以上、世界の富裕層の資産管理に携わってきたケンフー。書籍出版とメディア創刊にあたり、編集部がその歩みと問題意識を聞きました。

本メディアの創刊にあたり、編集長ケンフーに編集部がインタビューする形で、その歩みと問題意識をまとめました。

富裕層の資産管理という仕事

— まず、プライベートバンカーとはどんな仕事なのか教えてください。

一言でいえば、富裕層のファミリーの「資産に関わる意思決定の伴走者」です。運用だけではありません。事業の売却、国をまたぐ資産の管理、次世代への承継、慈善活動。お金にまつわるあらゆる論点について、ファミリーの側に立って設計と実行を支えます。

私はCFA(米国公認証券アナリスト)資格を持つプライベートバンカーとして、シンガポールを拠点に、日本と東南アジアの富裕層のお手伝いを20年以上してきました。

— 20年の中で、富裕層の関心はどう変わりましたか。

大きな変化は2つあります。一つは、資産の中心が「金融資産の運用」から「事業と投資の統合設計」に移ったこと。新しい富裕層の多くは事業のオーナーです。事業を抜きに資産の話はできません。

もう一つが、テクノロジーです。この数年、ほぼすべてのファミリーとの会話にAIが登場します。「AIで自分の事業はどうなるのか」「資産運用にAIをどう使うべきか」。この問いに答えるために、私自身もAIトレーディングアルゴリズムの開発と検証に踏み込みました。使ってみて分かったことは、期待も限界も含めて、書籍とこのメディアで共有していきます。

なぜ日本語で、なぜ今なのか

— シンガポールを拠点にしながら、日本語での発信を始めた理由は何ですか。

日本の個人投資家を取り巻く情報環境への、率直な危機感です。

シンガポールの富裕層コミュニティで日常的に交わされる情報 — 産業構造の変化、各国の資本の流れ、資産防衛の設計 — と、日本のSNSで流れている投資情報との間には、質の面で大きな断絶があります。日本で目立つのは、短期の値動きと銘柄の話ばかりです。

でも、日本の投資家の能力が低いわけでは決してない。届いている情報の「視座」が低いだけなんです。それなら、現場で使われている視座をそのまま日本語で届ければいい。それがこのメディアの出発点です。

— 書籍『プロ連続起業投資家は、何をして稼いでいるのか?』も、その問題意識の延長にあると。

はい。AIブームで投資を始めた方が最初に手に取るものが、煽り本か、逆に難解すぎる専門書かの二択になっている状況を変えたかった。プロの連続起業投資家たちが実際に何をして稼いでいるのかを、産業構造から未来を読むという富裕層の資産管理では当たり前の方法論とあわせて一冊に体系化しました。詳しくは書籍のページをご覧ください。

このメディアで約束すること

— 最後に、読者への約束を。

3つ約束します。

  1. 個別銘柄の推奨はしません。 私たちが提供するのは魚ではなく、釣りの仕方 — 産業構造を読む視座です
  2. 煽りません。 「爆益」「今すぐ」という言葉はこのメディアには登場しません。資産構築は10年単位の営みです
  3. 現場の言葉で書きます。 評論家としてではなく、富裕層資産管理とAI開発の実務家として、現場で検証されたことだけを書きます

日本の投資家の視座が一段上がれば、個人の資産だけでなく、日本の資本市場そのものが良くなると本気で考えています。長くお付き合いいただければ嬉しいです。


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